「スピリチュアル系」の本を出す出版社〈その3〉~「引き寄せの法則」は「スピリチュアル」か?~

『シークレット』の衝撃

こんにちは。スターシード図書館の館長、星子(ほしこ)です。「スピリチュアル系」の本を出す出版社について、星子の体験も絡めて考察していく記事、その3となります。

「引き寄せの法則」や、「スピリチュアル系」に興味のある人なら、みんな、知っているのではないかと言うほど有名な本、ロンダ・バーン著『シークレット』。

翻訳は、スピリチュアル界では、有名な山川夫妻、そして、最近では、世界の真実を追及する『TRUTH SEEKERS』シリーズでおなじみ、佐野美代子さんの翻訳の本です。
星子は、この本を出している出版社を見て、驚きました!「えっ?KADOKAWAなの?」と。

『シークレット』が発売されたのは、2007年ですが、星子が手に入れたのは、2014~2015年頃だったと思います。発売から7年が過ぎていたわけですが、2012年前後から花開き始めた、全世界的なスピリチュアル・ブームに乗って、日本の書店でも、再び全面に押し出されたのでしょう。

その頃、星子は、まだ「スピリチュアル系」の本に警戒心が強くて、『シークレット』も、強烈に引きつけられはしたものの、まだ、どこか、怪しい本なんじゃないか?とも思いながら、読み進めていたのです。

『引き寄せの法則』ブーム

『シークレット』の元ネタ、ヒックス夫妻著の、『引き寄せの法則』シリーズの代表的な本は、SBクリエイティブから、出版されています。

SBクリエイティブは、ソフトバンクの子会社のSBメディアホールディングス株式会社の完全子会社です。もとは、ソフトバンクの出版部のため、当初は、パソコンに関する本などを出版していたのですが、今ではヒックス夫妻の著作、「引き寄せの法則」関連の本、ライトノベルなども出版しているようです。

このヒックス夫妻の有名な「引き寄せの法則」の本以外にも、「引き寄せの法則」を扱った、ありとあらゆる本がこの世には存在します。

最近、「引き寄せの法則」も古くなったかなと思っていたら、「いや、あの方法で叶わなかった、そんなあなたも、この方法なら、叶いますよ」とか、「いや、あの頃は、翻訳が堅苦しかったから、新しい訳にしました」と言った感じで、「引き寄せの法則」系とも言える、願望実現の本の出版は、止まりません!

ところで、「引き寄せの法則」に代表される、願望実現の本ですが、これらの本で取り上げているテーマは主に、三つ、「お金」、「仕事」、「恋愛」です。これらに関する欲しいものを、「引き寄せ」、これらに関する願望が実現したら、それが、「幸せ」というのが、これらの本で書かれていることです。

3次元的な成功法則とセラピー

「引き寄せの法則」の本は、3次元的世界における、成功法則について書かれた本なのです。つまり、これらの本というのは、「スピリチュアル的な」メソッドを使った、「自己啓発」の本の一種と言えます。ナポレオン・ヒルの『思考は現実化する』とか、デール・カーネギーの『人を動かす』の延長線上にあるのです。実際、ヒックス夫妻の「引き寄せの法則」は、ナポレオン・ヒルのメソッドの中で、長年封印されていた「波動の法則」の部分だったと言います。

YouTube動画で有名になったKenjiさんの本、『ゼロ・リセットマジック』が、自己啓発本の横に並んでいるのと見たことがあります。

Kenjiさんのこの本を出版したのも、KADOKAWAです。Kenjiさんの本のように、「マジック」や「魔法」という言葉がついていたとしても、中身は、3次元的な幸せを求める自己啓発的成功法則の要素が多いのです。

では、ドリーン・バーチューが書いていた天使に関する本などは、どういう種類の本なのでしょうか?こちらは、「スピリチュアル的」な方法を用いた、心理カウンセリングやセラピーの本と言えるでしょう。また、開運系にも近いと思われます。
さらにお掃除をして、運をよくしようなどの「開運」系は、「占い」にも近いと言えます。

真のスピリチュアル本を出す出版社は?

グレゴリー・サリバンさんの『ホログラム・マインドⅡ』の本を買って読み始めた時、出版社名を見ると、「キラジェンヌ」という、まるで「タカラジェンヌ」のような初めて聞く出版社でした。
キラジェンヌは、『veggy』というベジタリアンの雑誌を出している出版社でした。

面白いことに、『ホログラム・マインド』は、ⅠとⅡ共に、その表紙からして、よくある「スピリチュアル系」の本とは、雰囲気が違います。本の中も含め、清潔感があり、スターシードにふさわしい感じがします。

パラマンサ・ヨガナンダの『あるヨギの自叙伝』を出している出版社は、森北出版で、自然科学や工学、語学、宗教などの分野の本を出しているところです。

また、アモラ・クァン・イン著の『ワンネスを生きる』を出しているのは、太陽出版で、他に芸能、学習参考書、歴史書などを出している出版社です。

意外にも本格的なスピリチュアルの本は、大手の出版社からは、あまり出ていないのです。
大手の出版社になるほど、本の内容は、「スピリチュアル的」な方法を使った、自己啓発やセラピーとなります。
書店で、パッと見、日本にはスピリチュアルな本が並んでいるなあと思ったとしても、それらは、3次元的な世界での願望実現の本であることがほとんどなのです。